MUSIC&RELAX Chillin VIBES 2026

2026年10月24日(土)

10:00開場 / 11:00 開演 / 18:00 終演予定

大阪・万博記念公園もみじ川芝生広場
(大阪府吹田市千里万博公園)

木
お知らせ

REPORTレポート

大阪府・大阪市・大阪文化芸術事業実行委員会が手掛ける大阪国際文化芸術プロジェクト「OSAKA MUSIC & CULTURE WEEKEND」が、10月24日(土)、大阪・万博記念公園で開催された。
本プロジェクトは、大阪・関西万博後も大阪のにぎわいを継続させるため、文化芸術の魅力を国内外へ発信し、都市魅力のさらなる向上を図るとともに持続的な来訪者の確保や文化の振興につなげることを目的とするもの。
万博記念公園の豊かな自然を舞台に、音楽をはじめとする多彩な文化芸術をゆったり楽しめる野外イベントとして実施された。
今回は、その連携企画として開催されたピクニックスタイルの音楽イベント「Chillin' Vibes 2026」(以下、Chillin' Vibes)の模様をレポートする。

「Chillin' Vibes」は「MUSIC&RELAX」をコンセプトに2019年にスタート。
忙しなく、時にストレスフルな日常から離れ、のんびりとリラックスしながら、広々とした緑あふれる公園の芝生の上にシートを広げ、大好きな音楽と豊かな思いに浸りながら楽しめる音楽フェスとして人気を集めている。
出演アーティストは弾き語りや小編成でのアコースティックライブで登場し、この日のために楽曲をアレンジしたり、イベントの世界観に寄り添ったセットリストを用意したりと、「Chillin' Vibes」ならではの特別なステージを展開。
ここでしか味わえないライブ体験が毎年大きな魅力となっている。
今年はメインステージとサブステージの2ステージ制で開催。
メインステージにはGLIM SPANKY、杉本ラララ、阿部真央、高橋優、大橋トリオ、高木一成(Re:name)、Konoが出演し、サブステージにはあじま(水平線)、Fluffy、blend house、the Poが登場。
なお、出演予定だったかりゆし58は、メンバーの体調不良により残念ながら出演をキャンセルした。

イベント当日はあいにくの雨模様でスタート。それでも会場には約3000人の観客が来場。
イベントオリジナルのピクニックシートを広げて思い思いにライブを楽しんだり、専用観覧エリアが設けられたグランピングテントエリアでは、本格的なアウトドア体験を満喫する人も。
さらにフリーエリアでは、デイキャンプさながらにテントやターフを設営してくつろぐ人たちも多く、一般的な音楽イベントやフェスとはひと味違う“チル”な空気が会場全体を包み込んでいた。
また、ワークショップなどの体験型コンテンツに加え、“大阪産(もん)”の食材を使用したグルメが楽しめるキッチンカーやドリンクブースなども充実。
世代を問わず、それぞれのスタイルで音楽と“チル”な時間を楽しめる空間が広がっていた。

イベント開始前には、MCを務めるFM802のDJ飯室大吾と内田絢子が登場。
大きな雨粒が降りしきるなか、「カラフルなレインウエアが広がっている♪ 」「終わる頃には良い一日だったね、というイベントになれたら。無理せずに、リラックスしながら自分のペースで楽しんで」と言葉を送った。

Kono

イベント恒例、大阪出身のアーティストがウェルカムアクトを務めるステージには、シンガーソングライター・Konoが登場。
晴天を願うような鮮やかなライトブルーの衣装を身にまとい「心がポカポカになる曲を持ってきたのでぜひ楽しんで♪」と「春に惑わされて」から柔らかく凛とした歌声を響かせる。
時折激しく雨が降るも「晴女になれますように」と関西弁で場を和ませながら、10月21日にリリースしたばかりの「リズム」へ「大勢のみなさんの前で私の歌声が届けられていることが幸せ。心をこめて歌います」と、ラスト「シルエット」でオーガニックな歌声で丁寧に綴り、 確かな印象を残しステージを後にした。

RELAX YOGA

本編開始前には、FM802のDJでヨガインストラクターの資格を持つ内田絢子が登場。
「座ったままでも、お家に帰ってからでも♪ 体がほぐれるヨガでリラックスしてほしい」と、観客と一緒に呼吸を整えながらヨガで体をリラックスさせていく。
体がほぐれたところで観客の願いが届いたのか、空が明るく小雨模様に♪ 恒例のヨガマット回収係を務めた飯室大吾も登場し、2人は「雨が弱まって皆さんの顔が見えてきた♪」と喜びを伝え、音楽ステージだけでなくアクティビティやフードトラック、 そして万博記念公園全体で繰り広げられている「OSAKA MUSIC & CULTURE WEEKEND」もめいっぱい楽しんでと言葉を送った。

GLIM SPANKY

本編のトップバッターを務めたのはGLIM SPANKY。「おはようございます、GLIM SPANKYです。よろしく♪」の挨拶から1曲目「怒りをくれよ」がスタート。
松尾レミ(Vo/Gt)の心を揺さぶるハスキーな歌声、亀本寛貴(Gt)が奏でるブルージーなギターが朝の会場に響き渡る。
普段はバンドセットでのライブが多い2人が、デュオ編成でステージに立つのも「Chillin’ Vibes」ならでは。シンプルな編成だからこそ際立つ、2本のギターが生み出す心地よいグルーヴが観客を包み込んでいく。

「4回目、4年目の出演。雨を忘れるくらいの音楽の時間にしていきたい。休日はちょっと遠くに出かけたいと思うこともあるはず。きっと今日はそんな日のはず♪」と、「風にキスをして」へ。
この日にぴったりの開放感あふれるサウンドでオーディエンスの心をほぐしていく。
「良い感じに太陽の光が出てきましたね♪ 素敵なフェスだな。ヨガでみんな準備万端なはず! 最初は(大雨で)どうなるかと思ったけど、最高の1日になるように」と、「美しい棘」で唯一無二のボーカルとエモーショナルなギターサウンドで観客を惹きつける。
続く「春色ベイビーブルー」では軽やかなギターのメロと晴れやかな歌声が会場を包みこみ、「大人になったら」では向かい合いながらギターを弾く2人の姿に、観客も手拍子や体を揺らして応える。

「最後はリズムに乗って揺れて、自由に楽しんで♪」と呼びかけ、ラストに届けたのは「愛が満ちるまで」。
今日という1日が最高の日になることを予感させるような、エネルギーに満ちた松尾の歌声に導かれ、フィールドには大きな手拍子が広がる。開放感あふれる会場の雰囲気を全身で味わうように、2人は声とギターを重ね、最後の瞬間までステージを楽しみ尽くしていた。

杉本ラララ

“チル”な空気が広がる「Chillin’ Vibes」に、デスメタルシンガー・杉本ラララが初登場。
「リハーサルだ!見てんじゃねー!」と、昨年“悪魔”から“死神”に転職した彼らしいユーモアあふれるひと言で会場を沸かせると、サウンドチェックでは圧巻のロングブレスを披露。瞬く間に観客の心をつかんでみせた。
本編は「狐の嫁入り」から、力強く伸びるハイトーンボイスで濃密な世界観を描き出していく。「かかってきやがれー!」と荒々しく観客を煽りながらも、続くのは希望に満ちた温かなナンバー「きみの町まで」。攻撃的な言葉とは対照的な優しさに包まれた楽曲とのギャップも微笑ましくて、観客の表情はたちまち笑顔に。

「阿鼻叫喚に満ちたデスメタルシンガー、杉本ラララだー! 今日も泣かせてやろうか…俺の胸で泣かせてやろうか! 晴れたな!これもひとえに私の力です! 晴れ“死神”だからな! 今日初めて杉本ラララを観たという人…これから殴っていきます!」と激しい口調でまくし立てながらも、 「本当はまっとうに売れたかった…高橋優みたいに。楽屋に挨拶に来やがって! 売れてるのに良い奴じゃねーかよ!」と本音をぽろり。会場を和ませる。
続く「素敵な成れの果て」では柔らかく伸びる高音が心地よく響き、「海蛍、悲しくて」では生命力に満ちた歌声で観客を魅了。

「私は武道館を目指している! 夢を見せていくから、一緒に生きてくれよ!」と力強く宣言し、 「本当につらいときは逃げてもいいという歌。この曲は“根性でどうにかなる奴”には届かない。頑張っても頑張っていよいよ頑張れなくなったヤツの歌なんだよ。この曲が胸に響くってヤツは病んでます! でも、病んでるオレたち最高ってことだよ!オレたちの人生はまだ始まったばかりだ」と語り、ラストは「ゴライコー」へ。
心に深く突き刺さる言葉と力強い歌声に応えるように、観客は手を高く掲げる。気づけば雲の隙間から青空がのぞき始め、“すべてを赦して 生きていこう”のフレーズがぐっと胸に響く。“病んでる自分最高!”とさえ思わせるそのステージ。
いつのまにか誰もが、“死神”杉本ラララの手腕によって、その世界へと引き込まれていた。

高木一成(Re:name)

10月9日にメジャーデビューを果たしたばかりのRe:nameから、高木一成(Vo)が登場。
「かりゆし58が立つはずだった場所。誇りを持ってステージに立ちたい」と語り、「オワリはじまり」のワンフレーズをカバーしてステージをスタート。続く「one room」では「アコギと声だけ。音が少なくて不安だけど、みなさんの手拍子があるとすごく安心できる」と呼びかけ、 初出演となる「Chillin’ Vibes」の空間を観客とともに作り上げていく。
2023年3月にFM802のヘビーローテーションに選ばれた「prettyfine:)」では、バンドサウンドとはひと味違う、柔らかく包み込むような歌声とアコースティックギターの響きで観客を魅了していく。

バンド結成の地が北摂で、自身も茨木市出身。学生時代は吹田市に通っていたという彼にとって、この日は特別なステージ。
この日だけのスペシャルなセットリストとして「Hey Cloud」を披露。16歳で初めてバンドを組み、最初に作曲した楽曲をこのステージで歌えた喜びをまっすぐに伝える。

「今日Re:nameを知った人にはバンドの曲を調べてみてほしい。洋楽ポップスの要素を宿して楽曲を作っている」と自身のルーツについて語り、One Directionの名曲「Story Of My Life」をカバー。「洋楽や海外に憧れて英詞の曲を作ってきた。インディーズ時代は馴染めないこともあったけど、最近はどんどん音楽が好きになっている」と、洋楽ポップスから受けた影響を色濃く反映した「Maybe I Was Wrong」へ。「今日はここがアメリカの草原やと思って楽しんで」と、リラクシンな空気を描きながら、心を掴むメロディで観客を惹きつけていく。

「バンドのワンマンライブは最高だから絶対に観てほしい! この日のステージをバンドに持って帰りたい。バンドをどんどん大きくしていきたい。今日、Re:nameを知った人はラッキーと思えるはず!」と、ラストは「24/7」。バンドの軌跡に通じるステージで会場を盛り上げた。

ステージすぐそばには、クラフトビールや焼き立てのピザをはじめ、多彩なグルメを楽しめるキッチンカーが軒を連ね、多くの来場者でにぎわいを見せていた。
また、アクティビティエリアには、子どもに人気のレゴブロックを使った体験コーナーやカラフルなバルーンアートのブースも登場。ステージの合間には親子連れが足を運び、思い思いの時間を過ごしていた。

イベント前半は雨に見舞われたものの、後半になると天候は一転。まるで午前中の雨が嘘だったかのように太陽が顔をのぞかせ、秋晴れの気持ちよい日差しが会場を包み込んだ。
シートの上で寝転がりながら音楽に耳を傾ける人、元気いっぱいに駆け回る子どもたち。思い思いのスタイルで「Chillin’ Vibes」を満喫している姿があって、会場のあちこちから小さな子どもたちの笑い声と、心地よい音楽、そして穏やかな秋の空気。
イベント名の通り、“チル”な時間がゆったりと流れていく。

あじま(水平線)

メインステージの向かいにあるウッディな装飾が施されたサブステージでも、1日を通して心地よい音楽が観客を楽しませた。
京都を中心に活動する4人組バンド・水平線でダブルボーカルを務める田嶋太一(Vo/Gt)、安東瑞登(Vo/Gt)の2人によるユニット、あじま。
「せっかくの良い雰囲気の野外でのライブ。皆さんと一緒に楽しい曲をやれたら」と「ロールオーヴァー」や「たまらないね!」などを披露。アグレッシブなバンドサウンドとは違った、息のあったツインボーカルと温かなギターサウンドで新鮮な印象を残していた。

Fluffy

昨年、オープニングアクトとして出演したFluffyはさらに成長した姿で「Chillin’ Vibes」に帰ってきた。
2度目の出演となる喜びを語りながら、「It’s Me」から伸びやかで凛とした歌声を響かせる。
「このまま晴れてくれたら♪ どこでも演奏したことのない曲を」と、大阪在住の彼女らしく関西弁を織り交ぜた歌詞で綴った「恋が終わった夜に」など“らしさ”溢れるステージで魅せてくれた。

blend house

徳島を拠点に活動する宙樹によるソロプロジェクト、blend house。
根っからの“晴男”だという彼は、燦々と降り注ぐ陽射しの下で会場を見渡しながら、「名前だけでも覚えて帰って♪」と笑顔で呼びかける。
お茶をテーマにした「茶、茶、茶」や「阿波の踊り子」で気持ちよく伸びるハイトーンボイスを響かせ、どこか肩の力が抜けた、ほっこりとしたムードを描きだしていた。

the Po

大阪出身で、ロンドンを拠点に活動するシンガーソングライター、the Po。心地よい風が吹き抜ける“チル”な空間のなか、「Green」から潤いのある歌声を響かせていく。
吹田市出身の彼女にとって、万博記念公園は遠足でも訪れたことのある思い出の場所。「ここで歌えることがうれしい!」と笑顔を見せ、曲が終わるたびに弾むような表情をのぞかせた。
ライブではキャッチ―なメロが印象的な「おっおー」をはじめ、この日披露した5曲のうち2曲がライブ未発表曲という特別なセットリストを展開。
10月2日に配信リリースされたばかりの新曲「ドライヴ」など、多彩なナンバーで楽しませてくれた。

阿部真央

4年ぶりの出演となった阿部真央。しかし本番のわずか1週間ほど前に人生初の骨折を経験し、この日は車いすに座ってのステージとなった。「阿部真央との時間を楽しんで。痛々しく見えるけど痛みはないから笑ってください♪」と軽やかに語って会場の空気を和ませると、アコースティックバンド編成で「ロンリー」から力強い歌声を響かせる。続く「Believe in yourself」では、車いすに座っての歌唱とは思えないほど、エネルギッシュな歌声を響かせる。力強くギターをかき鳴らしながら、逆境さえも跳ね返すようなパワフルなステージに、観客も大きな手拍子や拳を上げて応えていく。この日は足元でビートを繰り出すストンプボックスを使用してのステージ。本来の効き足ではない足での演奏となるものの、「今日を楽しみにしてきたから、お医者さんには秘密にしといて♪ 一緒に楽しもう」と笑いを誘いながら「Buddy」へ。どんな状況でも全力でステージを楽しむタフな姿勢と歌声に、観客も全力で時間を共有。

「母である為に」では一人の女性として、そして母としての想いを真摯に歌い上げる。凜とした歌声に、観客はそれぞれの大切な人の存在を重ね、一つひとつの言葉に耳を傾けていた。優しくて強い、そんな彼女の姿にひと時も目が離せない。そして「元気なゾーンに戻って♪ 手拍子にぴったりの曲を」と「それぞれ歩きだそう」を披露。ストンプボックスとタンバリンで軽快なリズムを刻みながら、晴れ間が広がる会場にぴったりの開放感あふれるナンバーを届ける。途中、歌詞を間違えるハプニングがあったが、はにかんだ笑顔とアドリブで見事に乗り切り、むしろ会場をアットホームな空気へと変えてしまった。「モットー。」では軽快なメロディに乗せ、伸びやかな歌声がさらに勢いを増し、観客の手拍子もさらに鳴り響く。

「私の骨が早く繋がるように応援して♪」と呼びかけ、ラストは「ストーカーの唄~3丁目、貴方の家~」。最後は一人きりのステージでアコギをかき鳴らし、スリリングなリリックをキュートかつエネルギッシュに歌い上げた。「楽しかったーー!」、ノーマイクで叫びながら、車いすを押されステージを後にする彼女。その背中に向けられたのは大きな拍手と歓声、そして一日も早い回復を願う温かなエールだった。

高橋優

今年で4回目の出演となる“Mr.Chillin’ Vibes”こと高橋優。根っからの“晴れ男”を自称する彼の出番を迎える頃には、秋の夕陽らしい鮮やかなオレンジ色の光が会場を包み込んでいた。サウンドチェックでは大阪・関西万博の公式キャラ、ミャクミャクのメガネをかけて観客を和ますひと幕も。それでもひとたび「プライド」を歌い始めると、空気は一変。観客はあっという間に総立ちとなり、彼の世界へと引き込まれていった。
本編は、雨上がりの会場にぴったりな「虹」からスタート。「元気ですか?僕はすこぶる元気です。楽しい時間過ごそうね」と、曲間には観客へ優しく語りかける。「みなさんもメンバーのひとりと思ってやります」と呼びかけ、力強い手拍子を受けて披露したのは「明日から戦争が始まるみたいだ」。穏やかな“チル”な空気のなかで、何気ない日常の大切さや真っすぐな感情を歌に乗せて届けていく。広い空の下で過ごす特別な時間が、ステージへの愛おしさをさらに深めていた。また「会場に集まった観客は同じ歌声や音を聴いていても、それぞれに感情の受け取り方が違うのが面白い」と語り、「あなたの中で鳴っている音を聞かせてほしい」と「鐘の音が聴こえるか」へ。ギターをかき鳴らしながら、生きた言葉を歌を響かせる彼に魅せられ、観客はそれぞれの心の中に芽吹く音楽と向き合う時間を楽しんでいた。

「大好きなミュージシャンから連絡が来て、一緒に出るなら何か面白いことをやろうと誘いを受けた」とステージに呼び込んだのは、ひと足先にライブを終えた阿部真央だ。「いつもはやらないことをやりたい」と2人が選んだのは、互いの楽曲を掛け合わせたマッシュアップだ。「いつの日も/阿部真央」と「福笑い/高橋優」を融合させた、この日限りのオリジナルソング「いつの日も笑って」を披露。2人の声が重なり、異なる楽曲が驚くほどスムースに溶け合っていく。人間味あふれる2人の声、言葉が唯一無二の世界観を生み出し、それぞれ異なる形の“愛”を歌った楽曲が同じ温度感で響き合った。しかも驚くべきことに、このステージはリハーサルなしのぶっつけ本番だったことが明かされた。デビュー15年を超える2人だからこそ実現できたスペシャルなステージに大きな拍手が送られた。

「これがライブだよね! 僕はやっぱりライブが大好き。雨が上がってキレイに夕陽が見えて、互いの経験が明日以降の言葉や行動に移っていく。今日の経験が良い日になりましたか?」。そんな言葉とともに披露した「鳥」では、“ライブならではの”アレンジを加えながら会場をさらに盛り上げてくれた。
ラストを飾るのは、ギターリフに合わせて一層力強い手拍子が沸き起こった「明日はきっといい日になる」。この日一日の幸せが明日に繋がり、“いい日”になると確認できる、そんなステージに観客は満面の笑顔とめいっぱいの大合唱で応え、“Mr.Chillin’ Vibes”のステージは幕を閉じた。

大橋トリオ

日没を迎える頃、4年ぶりの出演となる大橋トリオが「Chillin’ Vibes」のトリとしてステージに登場。柔らかな照明に包まれながら1曲目「CLAMCHOWDER」が始まると、まるで温かなスープを両手に包み込むような安心感が会場を満たしていく。この日は大雨、強風、そして晴天と、わずか半日の間に目まぐるしく表情を変えた一日。天候に翻弄され、少し疲れた体を癒すような大橋の歌声に、観客は自然と気持ちよさそうな笑顔を浮かべていた。続く「カラタチの夢」では軽快なリズムに合わせ、観客の手拍子が広がる。すっと耳になじむ歌声は繊細でありながら確かな存在感がある。「ここ数年の統計だと、大橋トリオは晴れ男らしいです♪ 野外フェスで雨を降らせたくなければ大橋トリオを呼べば間違いない!」とユーモアたっぷりにアピールしつつ、「lullaby」では夕暮れから夜へと移り変わる時間にぴったりな、ほのかな切なさと寂しさを帯びたメロディを奏でていく。

この日はギター、ドラムを加えたトリオ編成でライブを展開。歌い出した瞬間からぐっと世界観が濃くなる「ホルトノキ」では、まるで眠る前に絵本を読み聞かせてもらうような安心感に包まれる。その一方で、ステージが進むにつれ、バンドサウンドの熱量は徐々に増していく。続く「BAUMKUCHEN」も、秋の夜長にぴったりな余韻を残すナンバー。ステージ上の姿を見つけていたい気持ちと、目を閉じて音の世界に身を委ねたい気持ちが交錯。凛としたサウンド、歌声が心を癒していく。

「楽しんでますか?チルってますか?」と、優しい口調で観客に語り掛ける彼。万博記念公園のシンボルといえば太陽の塔だが、かつて塔内でライブを行った経験があることを明かす。さらに、この日はまだ“塔さん”の顔を見ていないと話しながら、「Chillin’ Vibes」の雰囲気をもっと満喫したいと語ってくれた。夜の帳が下り、辺りが暗くなる頃、ステージ後半は「HONEY」から一気にグルーヴ感が増していく。公園の営業時間も終わり、音が響いているのは、この会場だけ。オーディエンスの姿は夜の色に溶け込み、ステージだけが浮かび上がる。余計なものがそぎ落とされた空間で、音楽だけが鮮やかな輪郭を持つ極上の“チル”な時間が広がっていく。

来年でデビュー20周年を迎える大橋トリオ。ライブにぜひ足を運んでほしいとメッセージを送り、最後に届けたのは「そんなことがすてきです」。ビートが弾み、ギターはより鮮やかな旋律を描き、大橋の歌声が柔らかくも力強く響いていく。観客はドラマチックだった1日を噛み締めるように、最後の瞬間までそのステージを見つめていた。

雨雲の切れ間から太陽が顔をのぞかせ、最後には美しい月が夜空を彩った今年の「Chillin’ Vibes」。終演後、MCの飯室、内田が再びステージに登場し、「幸せで贅沢な時間を一緒に作ってくれてありがとうございます!」「いろんな奇跡が起きた1日!」と振り返り、「Chillin’ Vibes 2026」は幕を閉じた。
文:黒田奈保子、撮影:渡邉一生・浜村晴奈

SET LIST

Welcome act
Kono
春に惑わされて
リズム
シルエット
GLIM SPANKY 怒りをくれよ
風にキスをして
美しい棘
春色ベイビーブルー
大人になったら
愛が満ちるまで
杉本ラララ 狐の嫁入り
きみの町まで
素敵な成れの果て
海蛍、悲しくて
ゴライコー
高木一成(Re:name) オワリはじまり(かりゆし58 cover)
one room
prettyfine :)
Hey Cloud
Story Of My Life(One Direction cover)
Maybe I Was Wrong
24/7
阿部真央 ロンリー
Believe in yourself
Buddy
母である為に
それぞれ歩き出そう
モットー。
ストーカーの唄~3丁目、貴方の家~
高橋優 虹
明日から戦争が始まるみたいだ
鐘の音が聴こえるか
いつの日も笑って(w/阿部真央)
鳥
明日はきっといい日になる
大橋トリオ CLAMCHOWDER
カラタチの夢
lullaby
ホルトノキ
BAUMKUCHEN
HONEY
そんなことがすてきです
あじま(水平線) 夏のカーブ
トーチソング
ロールオーヴァー
たまらないね!
Fluffy It's Me
Toward You
恋が終わった夜に
Step!!
blend house @
雨 / ペトロールズ(Cover)
茶、茶、茶
阿波の踊り子
the Po Green
時々、刻々と
Something New
おっおー
ドライヴ